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静岡市清水歯科医師会

6月2011

26.「備えあれば、憂いなし」…「非常用持ち出し袋に歯ブラシを」

長引く避難所生活での震災関連死についてその対策を考えてみましょう。先ずは、非常用持ち出し袋に歯ブラシを入れておきましょう。

不幸にして、歯ブラシがない場合は、指でじかでも良いし、布やタオル・ティッシュでも良いから指に巻いてとにかくこすって綺麗にするように心がける。デンタルリンスがあれば、少量でもお口に入れて行うと良いです。水が思うように手に入らない場合などは、唾液をできるだけ出してブラッシングをおこないます。結構唾液が出ますのでグジュグジュできます。

○普段から正しいぶくぶくを知っておくことも必要。水と空気を半々にしてグジュグジュぶくぶく。ペットボトルのキャップ一杯の水でうがい、もう一杯で歯ブラシを洗う練習をしてみましょう。

就寝中入れ歯は枕元に置き直ぐに手に取れるようにする。心配な方は夕食後外して粘膜を数時間休めて、綺麗に清掃した後お口に入れて寝る。与えられた食べ物はドロドロになるまで良く噛んで唾液を出して呑みこむ。食後にキシリトールなどのシュガーレスガムがあれば、噛むのも良いでしょう。

勿論、普段気になっているむし歯や歯周病・親知らず等があれば早速治療を済ませておくことは言うまでもありませんね。お口の場合も「備えあれば憂いなし」です。

25.「震災関連死」…「今考えておきたい、お口の健康」

東日本大震災以来、色々なことを考えさせられました。今だに10万人以上の避難所生活者がいらっしゃる現実があります。幸いにして直接地震や津波から逃れることが出来ても、その後の避難生活で震災関連死という魔の手が迫ってきます。

震災関連死とは「震災に遭わなければ、死ななくて済んだはずの方が死んでしまうこと」。阪神淡路大震災では、死者6434人のうち 922人がこの震災関連死。その24%が肺炎でした。

避難所生活が長引くと、
●ストレスによる唾液出にくくなること
●入れ歯紛失による噛めないこと
●水不足によるお口の洗浄(口腔ケア)不足
●食事の不規則やお菓子などでの食事の代用
など内容の悪さによる体力低下とお口の汚れと、元々あったむし歯や歯周病・親知らず等の悪化・・などが災いして、お口の環境が悪くなり、免疫力が低下します。すると、お年寄りや子供・体の悪い弱い方から、色々な問題が起きてきます。

主には前述したようにお口の中の細菌が増え誤って肺の方に飲み込むことによる誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。お年寄りは熱が出ないこともあり気づかぬうちに最悪な状況となっていることがあり、死に直結します。

では、その恐怖から逃れるためには、どうしたら良いでしょうか?まずは、非常用持ち出し袋に歯ブラシを入れましょう!と言うところですが、続きは次回。