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静岡市清水歯科医師会

21.学校健診はリスク・スクリーニング…児童虐待も視野に入れて

爽やかな風と共に今年も学校健診の時期がやって来ました。音楽室からかすかに聴こえてくる唱歌、校庭で騒ぐ子供たちの楽しそうな声、私たち学校歯科医にとってこの季節は多忙でも楽しい季節となっています。

健診結果に家族は一喜一憂するものですが、気をつけて頂きたいのは、学校健診は医療機関での疾病診断とは異なり、健康状態の把握が基本的な考えで、問題があるモノや疑いのあるモノを集団の中から選び出すためのスクリーニングであるということで、現在は「異常なし」0、「要観察」1、「要精検」2、の3段階で検査しお知らせを出しています。そしてむし歯や歯周病だけではなく、歯垢の付き具合や顎・かみ合わせ、歯並び・・・など生きる力をはぐくむ「歯とお口の健康」という概念で健診をしています。

さらに、最近目を覆いたくなる児童虐待が報道されていますが、健診の場での児童の様子の不自然さやお口の中の状態を見ることで、児童虐待を発見できることがあります。歯の外傷はもとより、親の保護怠慢による多数むし歯の放置や清掃不良による歯周病などが見られる場合は児童虐待を疑って学校長に速やかに報告する事になっています。「お口は健康の窓」という言葉がありますが、私たちは「生活を写す鏡」と言えると思っています。