こんにちは、静岡市清水歯科医師会です。ホームページをご覧いただきましてありがとうございます。お口と歯の健康のために。静岡市清水歯科医師会は市民の皆様の健康をサポートしています。

一般社団法人

静岡市清水歯科医師会

45.「オーラル・フレイル」…「目指せピンピンコロリ」

「オーラル・フレイル」とは直訳すると「歯・お口機能の虚弱」で、平成27年から日本歯科医師会が東京大学高齢社会総合研究機構の協力の下に発信・啓発しています。普段意識しないで当たり前のようにしていますが、お口の機能は食べる・話す・息をする・感情表現・顔の構成要素・身体の安定バランス・・・などと生きる為に大変重要な働きをしています。

老年期における「オーラル・フレイル」は、栄養摂取面だけでなく社会的な関わりも薄くなり、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)や運動器症候群(ロコモティブシンドローム)となり、要介護状態になる前兆とも考えられています。

具体的には些細な“口の衰え”(滑舌の衰え,食べこぼし,わずかのむせ,嚙めない食品が増える……など)に早期に気付き、治療を受けお口機能を維持しながら健康寿命を延ばしてピンピンコロリに近づくようになって頂きたいと言う考えです。

先ずは歯科医院で良く噛める状態に治療し、定期検診で現状維持を目指し、痛みや不具合が出る前に些細な変化にも気を配り歯科医院で対応して頂くと良いでしょう。全身の健康はお口からです。

44.訪問口腔ケア事業開始 …最後まで美味しく楽しく

清水歯科医師会では従来からの寝たきり在宅者の為の訪問歯科診療支援事業にプラスして今年度からお口の健康状態を保つ・・又は改善させることを主眼としたいわゆる「訪問口腔ケア」事業を静岡市の協力の元に行っています。
対象は静岡市在住の65歳以上の寝たきり者や通院困難者などです。

寝たきりとなると毎日の歯ブラシが上手くできず、お口が上手く機能していないと唾液による自浄作用も上手く行われず、お口のバイ菌が増えて身体に悪さをします。その代表が誤嚥性肺炎です。他にも心臓病や糖尿病・リウマチなど全身とお口の健康との関連が明らかになりつつあります。

寝たきり者の毎日の口腔清掃は難しく本当に清潔になっているかどうか定期的に専門的にチェックしてもらい清掃不足の部分を教えてもらったりキレイにしてもらう事が必要です。又お口の機能が上手に行われているかなども指導してもらい、(訪問)歯科治療終了後や現在自覚症状がない場合でも口腔環境が悪化しないように管理するのが「訪問口腔ケア」という概念です。

静岡市清水歯科医師会事務局 電話 054-348-7668
または
静岡市健康づくり推進課 保健指導係 054-221-1534
まで、お問い合わせ・お申込み下さい。

43.寝たきりでお困りの方へ …訪問歯科診療(歯科の往診)

「美味しく食べて、元気に生きて、元気に死のう!」「目指せ!ピンピンコロリ」というキャッチフレーズがあります。先ずは「医食同源」!健康なお口や歯が重要です。歯科医院に通院出来る場合は勇気を出して早速電話しましょう!

でも色々不具合で通院出来ない時どうしますか?ちょっと痛いけれど我慢するしかないわ・・とか、片方だけでも噛めるからこれで良いにしちゃおう・・とか、入れ歯がゆるくて上手に噛めない、当たって痛いけどはずしていればいいや・・とか思っていませんか?寝たきりになってしまって歯の治療なんかとても通えないし、きっと歯医者さんは往診なんかも来てもらえないだろうな?・・と思っていませんか?
そんな寝たきりで歯やお口でお困りの方へお教えします。

先ずはかかりつけの歯科医院に相談すると良いです。しばらく通ってなくてもかつての主治医に相談するのも良いです。施設に入所している方も先ずはかつての主治医に、又は施設の嘱託医に相談しても良いです。医療や介護の関係の方々へ相談するのも良いです。手っ取り早く歯科医師会へ相談の電話を入れてみるのも良いですね。静岡市清水歯科医師会では訪問歯科診療の受け付けを行っています。

静岡市清水区歯科医師会 電話 348-7668
静岡市清水健康支援課  電話 348-7981  です。

42.口腔がんは早期発見が重要…自己チェックも

前回、2~3週間経ってもなかなか治らない口内炎は要注意!必ずではないですが「口腔がん」になっている場合もあることをお知らせしました。

日本では、がん全体の2%ですが、近年増加傾向にあり直接生命にかかわる病気であり、特にお口は食べる話す呼吸するなど生活の質に直接大きくかかわっている器官ですから重要です。早期発見すれば5年生存率は90%以上ですが、早期発見率は17%と低い状態にあります。

歯茎や頬っぺや舌・唇の粘膜にできますが4~5割は舌がんです。原因は外からの持続的な慢性的な刺激なので、むし歯や歯並びや歯軋りなどで当たる所はないか?入れ歯の不具合を放置していないか?お酒やたばことどう付き合っているか?・・などに気をつける必要があります。

自己チェックとしては、口内炎が2週間以上続く、口の中に治りにくい傷はないか?粘膜のただれや赤い斑点はないか?こすっても取れない白い斑点はないか?境界のハッキリしないシコリや腫れはないか?ですが、お口の粘膜は全身の健康のバロメーターと考え、お口の清潔に心がけ、異常がある場合はほったらかしにしないでかかりつけの歯科医院で診てもらうようにしましょう。

41.口内炎って?…2週間上は要注意!

口内炎は小さなものでもとても痛く嫌なものです。一口に口内炎と言っても様々で、カンジダなどのカビ類やヘルペスなどのウイルスそして細菌などによる「感染」によるもの、ベーチェット病などの自己免疫疾患・薬物や金属などのアレルギー・潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患・貧血や先天性の「全身疾患」によるもの、その他の「アフタ性潰瘍」「外傷」「前がん病変」「喫煙」などによるものがあります。粘膜にできた傷のような変化の周囲には感染が起こり赤く腫れたりし鑑別が難しくなり、とりあえず口内炎とひとくくりに言われているようです。

日常的に良くあるのは、アフタ性潰瘍のよるものや歯ブラシ等で傷を作り出来てしまった口内炎ですが、歯科医院で塗り薬を処方してもらい、患部を良く乾燥させて軟膏を少量毎食後と寝る前に塗ると効果的です。特に寝る前は重要です。1週間から長くても2週間で徐々に治ってきます。

注意しなければいけないのは、2~3週間たってもなかなか治らない口内炎です。必ずではありませんし、日本ではがん全体の2%と少ない数字ですが「口腔がん」となっている場合があるからです。

40.平均寿命と健康寿命…お口の健康が鍵

2013年の統計では平均寿命は男79.9歳女86.4歳にもかかわらず、健康寿命はそれぞれ男約9年・女約13年も短く、介護などが必要な状況になっています。最後まで美味しく人の手を煩わさず人生を全うしたいと誰もが願っているわけですが、そのキーポイントは、健康なお口で良く噛める事であることが色々な研究で分かりつつあります。

良く噛めれば、栄養低下予防、そして認知症予防。転倒予防は2.5倍。循環器系疾患予防(野菜不足になり心疾患や脳血管疾患を起こしやすいのを予防)誤嚥性肺炎予防などで健康寿命が延びるわけです。そこで健康なお口を保つには、日頃のお手入れが重要ですが、キチンとできていると思っていてもできていないことが多いので、歯科医院で教えてもらうことが必要です。

不幸にして歯を失ってしまっても義歯等でしっかり噛める状態を保っている事も重要です。かかりつけ歯科医院を決めて短い人で4カ月、そして半年~1年健診を受けクリーニングやブラッシングのチェックをして頂くと、早期発見・早期治療も可能だし、いつもお口の中がキレイで気持ち良くそれでいて丈夫で長持ち、まさに最後まで美味しい生活を続けることが出来ると思います。

39.指しゃぶりは悪いの?…いつまでにやめると良いの?

乳幼児歯科健診や日常診療の場で「指しゃぶり」について良く質問を受けます。1~2歳頃までの指しゃぶりは吸うという本能から生理的な行為と考えられ、ごく普通のことで問題ないと思われます。やがておしゃべりや遊びが活発になると自然になくなってくるものです。

しかし3歳を過ぎてなお続けていると少しずつ歯並びやかみ合わせへの影響が出始めます。概ね4歳半から5歳頃までに止めさせれば改善する可能性があるので慌てる事はありませんが、しゃぶる指や時間、強さによって程度が変わりますが、4~5歳まで続くと、出っ歯(上顎前突)や開咬(前歯が閉じない)、交叉咬合(上下や前後にずれる)などが起きる事があります。

家庭で出来ることは、
・ 幼稚園・保育園に入園する時やお誕生日などをきっかけに止める  お約束すること
・ 指しゃぶりの害を教えて言葉でやさしく注意する
・ 外遊びや運動をさせる
・ 寝付くまでの間手を握ったり本を読む
・ 眠りながらしゃぶっていたら親が外してやる
・ できたら褒める・・・など。

5歳を過ぎてもどうしても止められない場合は、心因的・環境的原因などはないかと子供の身になって良く考えてあげることが必要です。無理は禁物ですので歯科医院などでご相談ください。

38.むし歯は生活習慣病…頻度多く長時間はダメ 

歯に悪い飲食習慣とはどんなでしょう?短期間に同時多発むし歯になってしまった方々の話をよく聴いてみると分かる事があります。

お上品なおばあちゃま「半年前からカラオケに誘われて毎日のように行くようになったんだけれど、喉がガラガラするのでテーブルに氷砂糖を山のように積んでそれをみんなで舐めながらカラオケやっていたんですよ。」や、

頑強そうな長距離トラックの運転手「どうしても眠くなるので微糖ですけど缶コーヒーをチビチビ飲みながら運転してました。」や、

ミカン農家の奥さん「喉が渇いたりおやつって言えばミカンを食べます。そうですねえ日に10個以上は食べてますね。」や、

スポーツ少年のお母さん「体に良いと聞いたので練習や試合中の飲み物と言えば水よりもスポーツ飲料を飲ませてます。」等。

それぞれが普通と思っていた生活習慣ですが、頻繁にまたは長時間お口に飲食物(主に果糖も含め糖分など)が入っている生活をしているとお口の中が酸性に傾き、石のように硬い歯でさえも溶かしてしまい(脱灰)、自浄作用という唾液で歯やお口がキレイに洗われ唾液中のカルシュームやリンが沈着し再び再石灰化するチャンスが奪われ、むし歯になってしまいます。その生活習慣を振り返ってみましょう。

37.歯科受診の準備…薬剤情報も!

歯医者に行く時に何か必要なものは何か?
先ず保険証:結婚や職変え、会社の都合などで変わるものですが、こまめに対応し途切れ目のないようにておかなければいけません。

ご自分の情報:出来れば生まれてから今までに罹ったことのある病気の歴史(既往歴)や、今罹っている病気の症状の経過(現病歴)を簡単にまとめた情報、そして他科受診のことや処方されている薬剤情報などが必要です。歯やお口の疾患と言えども全身との関係を無視できません。

では、いざ診療と言う時ですが、黙って座ればピタリと当たると言うわけにはいきません。どんなふうに症状をお話しすると分かりやすいでしょうか?
情報伝達のポイントは5W1H(いつ?何処で?誰が?何を?何故?どのように?)。少なくても、いつから、どの辺りが、どのように痛く、どんな経過を辿っているか?というような事は、メモに書いて持っていくと分かりやすいと思います。

スムースで正確な診断・治療を受ける為に事前の丁寧な歯ブラシは重要だし、身だしなみという観点からもハンカチやティッシュを持参し濃すぎる化粧などにも注意が必要です。

次回予約の為に手帳などスケジュールが分かるものを持っていくことも忘れずにしましょう!

36.おとましい歯医者…イカすナウい歯医者

前回救急でお見えになった若い患者さんが数日後症状を診せに来たので「如何ですか?」と聞いたら、「すこぶる調子良いです。」っと返って来た。「すこぶる」とは、「たいそうに」とか「非常に」という意味で、私はホッとしたのですが、すこぶる珍しい言葉をお使いになる方と感心した。

80歳を過ぎたおばあちゃんの患者さんが、初診で来るなり「わたしゃいつまでたっても歯医者がおとましいだよ」と言った。「おとましい」とは昔の静岡弁で「怖い」とか「気の毒」という意味。一瞬「歯科医が気の毒?」と言ったのだと思い、さすがおばあちゃん歯医者の窮状がわかってる~!って思ったけれど、いや違う、歯医者が怖いのだった。「怖い歯科治療」がおばあちゃんの心の中にいつまでも存在していたのだ。

少しでも痛くなく快適な診療を目標にしてきたはずの我々歯科医師の日常診療での反省点が垣間見えるようで冷や汗だが、メンタルな面を含めた医療技術の発達・改善、歯科医数の増加、関連材料の発達などでより細やかな対応がなされるようになってきたので、歯科医療も40年前から比べれば「おとましい」から随分脱却してきたように思う。しかし、時の経過と共に使われなくなった言葉たち、「くっさるなあ」や「いかすゥ!」等など。今「ナウい」とうと古くさく感じる不思議ってありますね。

とにかく手遅れになる前に怖がらないで足を運んでみては如何でしょうか?イカす歯科医院でおとましくないナウい治療が受けられます