28.噛む能力と認知症…リスクは1.9倍も
歯科関係から介護認定審査会に参加しているのは、清水区では11人いて一人平均月に2回の審査会に出席しています。その審査会で問題となる項目に認知症があります。お口の健康と認知症は関係があるでしょうか?
平成22年度厚生労働科学研究として行った分析で「咀嚼能力(噛む能力)の低い人は、認知症の発症リスク(危険度)が高くなる」という事が明らかになり、札幌市で開かれた第21回日本疫学学会学術総会で発表されました。リスク度合いの計算では、残っている歯が20歯以上の人と比べて、歯がなく義歯入れてない人の認知症発症リスクは1.9倍、なんでも噛める人に比べて噛めない人は1.5倍、かかりつけ歯科医院がない人は、ある人に比べて1.4倍ということです。
8020運動の意味が裏付けされた訳ですが、歯を健康に保って上手に噛める状態にしておくことが重要で、たとえ歯を失ってもブリッジや入れ歯・インプラント等で噛めるようにしておくこと、その為にはかかりつけ歯科医院を決めて定期的に通い、親から頂いた歯を上手に現状維持できるようにして行くことが大切ということです。
私たち歯科医もそのお手伝いが出来るように常日頃から生涯研修を重ねています。
2011年9月28日